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ワクチンやフィラリア・ノミ・マダニ予防
ワンちゃんやネコちゃんには、特有の感染症があります。死亡率の高い幾つかの病気を、ワクチンなどでしっかり予防することが可能です。
仔犬・仔猫の時期に2回ないしは3回、生後6ヶ月以降の成犬・成猫になっても毎年1回の追加接種が望ましいと考えます。年1回は健康相談を受ける意味でも御来院いただきワクチン接種をおすすめしています。ワクチン接種時には検温や触診、聴診、体重測定など総合的な健康診断を行うため、簡易的な健康チェックにもなります。
狂犬病ワクチン
人間を含むを全ての哺乳類にかかる可能性があり、発症するとほぼ死亡するため、法律でワクチンの接種が義務付けられています。生後91日以上で1回、その後は毎年の接種となります。自治体が主催する集合接種でも受けることが出来ます。
犬:6種混合ワクチン
混合ワクチンには6種の病気を防ぐものと8種の病気を防ぐものがあります。どの病気もかかると、重篤な症状を引き起こし死亡率が高い怖い病気です。キャンプに連れて行くなどアウトドアで過ごすことが多い場合、またほかのワンちゃんと遊ぶ機会が多い際には8種、そうでない場合は6種を基本に、飼い主さまのご希望や、ワンちゃんのライフスタイルに合わせて、ご提案しています。
●犬アデノウイルス2型感染症
肺炎や扁桃炎など、呼吸器に重い症状を引き起こします。
●犬伝染性肝炎
アデノウイルスで起こる肝炎です。嘔吐や下痢などとともに、目が濁ることもあります。仔犬では突然死の原因にもなります。
●犬パルボウイルス感染症
ひどい腸炎を起こす、死亡率の高い病気です。心筋ダメージによる突然死が起こることもあります。
●犬ジステンバー
発熱、下痢、神経症状を起こす死亡率の高い病気です。治っても、重い後遺症を残します。
●犬パラインフルエンザウイルス感染症
咳や鼻水、扁桃炎を起こします。
●犬コロナウイルス感染症腸炎を引き起こします。犬パルボウイルス感染症と混合感染する場合があり、そうなると症状はさらに重篤になります。
犬:8種~混合ワクチン
6種の内容に以下が加わります。
●犬レプトスピラ感染症(黄疸出血型およびカニコーラ型ほか)
主にネズミの排泄物から感染し、腎臓や肝臓に症状が出る病気で、人間にも感染します。歯ぐきの出血や黄疸が見られる(黄疸出血型)と、高熱や嘔吐・下痢を起こす(カニコーラ型)があります。ネズミは意外に公園や繁華街でも飲食店のゴミにつられて出てきますので、注意が必要です。
なお、レプトスピラは他にもタイプがあり、それらがさらに足されたものは10種や11種混合と呼ばれます。
猫:3種混合ワクチン
ネコちゃんの混合ワクチンには、3種の病気を防ぐものと、5種の病気を防ぐものがあります。基本的に完全室内飼いの場合は3種、外出自由の場合は5種をおすすめしています。どれも感染性がとても高く、かかると重篤な症状を引き起こし、死亡率が高い怖い病気です。
混合ワクチンで予防できる病気には、通称「猫カゼ」と呼ばれている呼吸器に症状が現れるものがいくつかあります。
猫は、鼻が利かなくなると食欲が落ちて、体力がみるみる減ってしまうため、呼吸器の病気は特に危険です。
地域の猫に一気に広がってしまうことが多い感染症ですが、ワクチンを接種しておくことで、万が一感染したとしても軽い症状で済みます。しっかり予防をしておきましょう。
●猫ウイルス性鼻気管炎
ひどいクシャミ、鼻水、鼻炎、結膜炎、高熱、食欲低下などの症状が出ます。
●猫カリシウイルス感染症候群
クシャミ、鼻水、発熱が起こり、その後、舌や口の周辺に潰瘍が発生するようなこともあります。最悪の場合、急性の肺炎となって死亡することもあります。
●猫汎白血球減少症
白血球が極端に少なくなり、高熱、嘔吐、下痢から脱水という症状が現れます。
体力がない場合症状が現れてから1日で死んでしまうこともある怖い病気です。
猫:5種~混合ワクチン
3種の内容に以下のものが加わります。
●クラミジア病
結膜炎や鼻水、クシャミ、セキといった症状が見られます。
肺炎になることもあります。
●猫白血病ウイルス感染症
白血球やリンパ腫など血液の癌や貧血、流産を起こします。
免疫を弱めるためいろいろな病気を併発しやすくなり、死亡率もとても高い病気です。感染してから発病までの期間が長く、その間の見かけは健康ですが、他の猫に病気を伝染してしまうというやっかいな病気です。
フィラリア・ノミ・マダニ予防
フィラリアは蚊に刺されることで体内に小さな感染小虫が入り、そこで成長しながら心臓や肺動脈に寄生し、心臓病や血液循環障害などの深刻な症状を引き起こします。フィラリアは、命にかかわる怖い病気です。潜伏期間が長く、命が助かったとしても重い後遺症が残るため、特に注意が必要です。
まだあまり知られていませんが、猫もフィラリアにかかります。
猫の場合、フィラリアの仔虫が体の中で死んでしまうため、血液検査で発見されにくいのですが、最近は研究が進み、猫の突然死の中にはフィラリアによるものがあることがわかってきています。
フィラリアは猫も犬も蚊によって感染するため、フィラリア予防は大分県の場合、蚊が現れる5月から12月までが予防期間になります。
犬のフィラリア予防には「おやつタイプ」「錠剤」などがあり、飼い主さまのご希望や、そのワンちゃんの性格などに合わせて選ぶことができます。
また、ノミ・マダニの対策もお勧めしています。ノミ・マダニはかゆみだけでなく、皮膚炎や様々な感染症の原因にもなります。ノミ・マダニは気温が13度を超えると活発に繁殖をはじめます。大分県の場合、3月中旬頃から11月までが予防期間になります。
ノミ・マダニに関しては、月1回飲む薬やスポット剤などさまざまな駆除および予防法があり、各ワンちゃん、ネコちゃんに合ったものをお選びいただけます。
ネコちゃんにはフィラリアとノミ・回虫・ミミヒゼンダニを同時に防ぐスポット剤もあります。こちらは安全性が高く、肩甲骨の間あたりに数滴垂らすだけですぐ乾きますので、とてもお手軽です。